広場恐怖は認知行動療法で改善できる|避け続けなくていい理由|テラピ

COLUMN

こんにちは。オンラインカウンセリングTerapiでコラムを担当している、臨床心理士・公認心理師です。

「電車に乗ると落ち着かない」「人混みやエレベーターがどうしても苦手」「発作が起きたときに逃げられない場所が怖い」——こうした感覚に心当たりはありませんか。

広場恐怖は、「その場から逃げられない」「助けを求められない」という状況そのものが恐怖の対象になる症状です。まずは、ご自身に当てはまるものがないか確認してみましょう。

広場恐怖の症状セルフチェック

・電車やバス、飛行機などの乗り物が苦手
・人混みや行列に並ぶことを避けている
・エレベーターや狭い空間に強い抵抗を感じる
・一人での外出に強い不安を感じる
・「発作が起きたらどうしよう」という予期不安が強い
・苦手な場所を避けることで、行動範囲がどんどん狭くなっている

複数当てはまる場合、広場恐怖の可能性があります。

なぜ悪化してしまうのか

広場恐怖がつらくなる背景には、ある悪循環があります。

苦手な場所や状況を思い浮かべる→「そこで発作が起きたら逃げられない」と考える→強い不安を感じる→その場所や状況を避ける→一時的に安心する→しかし、避けた経験によって「あの場所は危険だ」という考えがより強くなる→次に似た状況を避けるようになる。

この流れが繰り返されるほど、避ける対象は少しずつ広がっていきます。最初は満員電車だけを避けていたのに、次第に各駅停車も、人混みも、一人での外出そのものも避けるようになる、というケースも珍しくありません。

「怖いから避ける」という対処は、その場では楽になりますが、長期的には恐怖を消えにくくし、行動できる範囲をどんどん狭めてしまいます。

避け続ける限り、「実際にはそこまで危険ではなかったかもしれない」と体験する機会が失われてしまうためです。

認知行動療法とは

認知行動療法は、こうした「避ける→恐怖が強まる」という悪循環に、直接働きかける心理療法です。

大きく分けて2つの視点から症状に取り組みます。一つは「考え方(認知)」の視点です。「発作が起きたら大変なことになる」といった、頭に浮かびやすい考えのくせに気づき、実際に起きたことと照らし合わせながら、少しずつ捉え方を整理していきます。

もう一つは「行動」の視点です。避けている場所や状況に、無理のない範囲・段階で、少しずつ近づいていく練習を行います。いきなり苦手な状況に挑戦するのではなく、本人にとって取り組みやすい段階から始め、「思っていたほど悪いことは起きなかった」という経験を積み重ねていきます。

認知行動療法がお勧めな理由

認知行動療法が広場恐怖に効果的とされる理由の一つは、症状の仕組みに直接アプローチできる点にあります。薬物療法が不安そのものを和らげるのに対し、認知行動療法は「なぜ避けてしまうのか」「なぜ怖さが強まるのか」という仕組みを理解し、行動を変えていくことを目指します。

そのため、治療が終わった後も、身につけた考え方や対処のしかたを自分自身で使い続けられることが特徴です。国内外の研究でも、パニック症や広場恐怖に対する有効性が報告されている、根拠に基づいたアプローチです。

とはいえ、「一人で克服の練習をするのは不安」「何から手をつけていいかわからない」という方も多いはずです。そうした場合は、専門家と一緒に、段階を踏みながら進めていくことをお勧めします。

一人で抱え込まなくていい

広場恐怖は、本人の気持ちの弱さが原因ではありません。「避ける」という行動が恐怖を強めてしまう、心の仕組みによるものです。だからこそ、正しい理解と適切なアプローチによって、少しずつ行動できる範囲を広げていくことができます。

Terapiでは、対面カウンセリングに加えて、自宅からご利用いただけるオンラインカウンセリングもご用意しています。認知行動療法にもとづいたサポートを、無理のないペースで進めていくことができます。一人で抱え込まず、まずは今の状態を専門家に話すところから始めてみませんか。

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