人間不信の特徴や治し方とは?原因やきっかけや克服する方法を解説
COLUMN人間関係の悩みを抱える人は少なくありません。「周囲の人を信じられない」「また裏切られるのではないか」と、身近な人に対してネガティブな感情を強く感じることがある場合は人間不信に陥っている可能性があります。人間不信でなかった場合でも、いつどのようなタイミングで人を信じられなくなることがあるかは誰にも予測できません。
この記事では人間不信になっている人の特徴や原因、克服するための具体的な方法などを解説しているので参考にしてください。
人間不信になっている人の主な特徴
人間不信とは、相手の言葉や行動を疑って信じられない心理状態にあることです。人間不信になる人は、過去の人間関係で信じた人から裏切られたり傷付けられたりした経験を持つとされています。そのため過去の傷ついた経験から、優しい言葉をかけられても「その言葉には裏があるのではないか」と疑いの目で相手を見てしまう傾向があります。
ここでは人間不信になっている人の主な特徴を解説するので、自分に当てはまる項目がないか確認してみましょう。
人間関係の構築が苦手
人間不信の人は知人や友人から誘いがあっても断ってばかりで、人間関係をゼロから築くのが苦手な傾向があります。人とのコミュニケーションを避ける傾向にある場合、人間不信になっている可能性が考えられます。
人からの誘いを断ったり人間関係の構築が苦手だったりするのは「相手が自分を理解しようとしてくれない」「自分も相手の嫌な言動ばかり目についてしまう」などの不満や不安があり、他人とコミュニケーションを取ることにストレスを感じているのかもしれません。
できるだけ人とコミュニケーションを取らなくて良いように、人を寄せ付けない雰囲気を醸し出しているケースもあります。
表情や感情表現が乏しい
人間不信に陥り、他人とコミュニケーションを取るのを避け続けた結果、日常生活の中で泣いたり笑ったりなどの感情変化が少なくなるケースがあります。また、誰かと会話をしても感情が動かなくなることで表情が乏しくなりやすく、相手から「何を考えているのか分かりにくい」という印象を持たれることも多いようです。
心配性で何度も確認する
何度も確認するほど心配性な一面があることも人間不信の特長の一つです。心配性になるのは、他人に対する疑り深さが強いことが考えられます。他人を信用できないため、繰り返し確認して安心感を得ようとするのです。
例えば、忘れ物や作成した資料のデータに誤りがないかを確認する作業に時間がかかる傾向があります。職場では、他人が確認したものでも自分が目を通さなければ安心できず、一度でもミスがあると他人に任せられないため、多くの仕事を抱えてしまいやすいでしょう。
恋愛では、相手の裏切りや自分から離れることへの不安が強く、自分以外の異性との交流や連絡を禁止して相手の行動を束縛したり干渉したりする特徴が見られます。
他人よりも優位に立ちたがる
いじめやからかいなどによる辛い経験から人間不信になった人は、他人から見下されることを極端に恐れているため人より優位な立場にいたがる傾向があります。例えば、弱みにつけ込まれないように自分の弱い部分を隠そうとしたり、自分の強さをアピールするためにあえて高圧的な態度を取ったりするケースなどです。
他人とコミュニケーションを取るのが苦手なことを相手に悟らせないために、気が進まなくても誘いを断らないケースも多いようです。自分で他人を遠ざける態度を取っているものの、人が寄り付かなくなることで人間不信をさらに強めてしまいます。
他人を試してしまう
人間不信になると他人に対する疑い深さから、信用に値する人かどうかを試すことがあります。他人を試す行為をするのは、傷付けられるリスクから自分を守るためです。
過去に辛い経験をした場合、「また裏切られるかもしれない」「自分を騙そうとしているのかもしれない」とネガティブな思考に捉われてしまい、相手が自分を傷付ける存在かどうかを見極めるために試すような言動を取ってしまいます。
例えば、本音と全く逆のことを言ってみたり、相手が困ることをわざとしてどのような反応を取るのかを確認したりするケースです。本人は相手を試しているという自覚を持っていない場合が多いでしょう。
人間不信になる原因やきっかけとは
人間不信の主な原因やきっかけとして次のことが挙げられます。
・ いじめや虐待など辛い経験がある
・信頼していた人から裏切られた経験がある
・詐欺に合うなど騙された経験がある
・親や友人との人間関係がうまくいかなかった
それぞれの項目を解説します。
いじめや虐待など辛い経験がある
子どもの頃に同級生からのいじめや親から虐待行為を受けた経験は、人間不信の原因になる場合があります。いじめや虐待がトラウマとなり、成人後も過去の心の傷を癒やせないままでいると人間不信に陥ってしまいます。
辛い経験がトラウマになると過去の記憶を思い出すだけで当時の感情が呼び起されて辛くなるため、思い出さないように無意識的に働きかけている場合も少なくありません。自分では人間不信の原因が過去のトラウマにあると気が付かないケースも多く見られます。人間不信になった原因やきっかけに気付けないと、克服するのは難しくなるでしょう。
信頼していた人から裏切られた経験がある
信じていた人から裏切られた経験が人間不信につながることもあります。例えば、信頼していた同僚に仕事のアイデアを盗まれたり、SNS上で部下や同僚から悪口を書かれたりするなどのケースです。また、親友と思っていた友人に恋人を奪われたり、恋人や配偶者に浮気されたりすることも人間不信につながることが考えられます。
信頼していた人ほど裏切られた真実を知ったときのショックは大きく、失望感はより深くなるでしょう。「疑いもなく信じていた人に裏切られるなら、世の中に信じられる人はいない」というネガティブな思考になりやすいため、人間不信に陥ってしまうのです。
詐欺に合うなど騙された経験がある
大人になってから人間不信になる原因に挙げられるのは、他人から騙された経験があることです。例えば、詐欺に遭ったりねずみ講に引っ掛かったりした経験があると人間不信になるリスクが高まります。
詐欺の加害者は初めから騙す目的で相手を完全に信じ込ませようとするため、被害者は被害に遭っているという自覚を感じられない場合が少なくありません。詐欺だと気付いたときには金銭的な被害を受けており、騙されたことへの悔しさと詐欺に気付けなかった自分への怒りを感じて自己嫌悪に陥ってしまうのです。他人を信じる気持ちだけでなく、人を見る目に自信がなくなり、自分自身も信じられなくなる可能性があります。
親や友人との人間関係がうまくいかなかった
親や友人などの身近な人とのコミュニケーションがうまく取れなかった経験が人間不信の原因になる場合もあります。例えば、親から褒められたことがなく、憧れの職業や夢を語っても否定されながら育った場合、自分に近づいてくる人たちを信用できないと思ってしまうケースです。
また、学校や職場においては、人間関係がうまくいかずに自分の居場所がないと感じて人とのコミュニケーションを取ることに強い不安を抱くケースがあります。たとえ相手に褒められても素直に喜べず、人との間に壁を作ってしまい人間不信になることも少なくありません。
人間不信を克服する方法
人間不信を克服する方法として以下のことが挙げられます。
・自分を肯定し自信をつける
・自分の辛い状況を発信してみる
・環境を変えてみる
・少しずつ心を開くように意識する
・相手の小さな嘘を深刻に捉えない
・全ての人を信じる必要はないという気持ちを持つ
具体的な内容をそれぞれ解説するので、人間不信を克服するための参考にしてください。
自分を肯定し自信をつける
人間不信を克服するためには、まず自分に自信を持てるようになることが大切です。自分に自信がないと些細な出来事にもネガティブな思考になりやすく、褒められたり感謝されたりするようなプラスの事柄があっても物事を否定的に捉えてしまう傾向があります。
自分に自信を持てるようになれば自分の存在を認めることができ、「自分は褒められたり感謝されたりするに値する存在」と感じられるようになるため、素直な気持ちで他人の褒め言葉や感謝の気持ちを受け取れるようになるでしょう。自分に自信をつけるための最初の一歩として、過去の自分を褒めてあげることが大切です。
自分の辛い状況を発信してみる
過去の辛い記憶を思い返すことができるなら、勇気を出して自分が辛いと感じていることを発信してみるのも一つの方法です。自分の辛い状況をブログやSNSで発信するためには過去の経験と向き合う必要があり、人によっては苦しい作業になるかもしれません。
しかし、言葉にして発信してみることで発信内容を見た人から温かいコメントをもらえたり、自分と同じような経験や心の傷を持つ人と知り合えたりすることで癒やされる場合があります。ただし、心に負った傷が深いときではなく「誰かに話してみてもいいかな」と思えるくらい回復してきた頃合いに自分の過去の経験を発信してみましょう。
環境を変えてみる
人間不信の原因になった環境に身を置いているなら、環境を変えることで克服につながる場合があります。決して現在の辛い状況から逃げたり現状を放置したりする目的で環境を変えるわけではありません。環境が変わると周囲の人間関係も大きく変化するため、新たな気持ちでスタートを切ることができます。
自分に問題がない場合は、今の環境から脱することで良好な人間関係を築けるでしょう。また、自分の意志で環境を変えることで前向きに考えられるようになったり、コミュニケーションがうまく取れなかった人から距離を置いたりすると状況が好転する可能性があります。
少しずつ心を開くように意識する
「人間不信を治したい」という強い意思がなければ人間不信の克服は難しいです。自分から心を開いて他人を信じる気持ちを持つことを心掛けると、人間不信の克服につながります。
例えば、他人から褒められたら謙遜するのではなく、「ありがとう」と素直に受け取ってみると良いでしょう。また、他人の嫌な一面を見たときは「人は誰でもいい面と悪い面がある」というように多面的に人を見ることで、他人の言動を許容できる範囲を広げられます。
新しい環境に身を置いて人間関係をスタートさせるなら、広く浅い関係性を意識しましょう。ただし、期待値が高すぎると相手が自分の期待に応えてくれなかったときのショックが大きくなり、人間不信を強めてしまいます。他人に過度な期待を持ちすぎないことも大切です。
少しずつ心を開くように意識する
「人間不信を治したい」という強い意思がなければ人間不信の克服は難しいです。自分から心を開いて他人を信じる気持ちを持つことを心掛けると、人間不信の克服につながります。
例えば、他人から褒められたら謙遜するのではなく、「ありがとう」と素直に受け取ってみると良いでしょう。また、他人の嫌な一面を見たときは「人は誰でもいい面と悪い面がある」というように多面的に人を見ることで、他人の言動を許容できる範囲を広げられます。
新しい環境に身を置いて人間関係をスタートさせるなら、広く浅い関係性を意識しましょう。ただし、期待値が高すぎると相手が自分の期待に応えてくれなかったときのショックが大きくなり、人間不信を強めてしまいます。他人に過度な期待を持ちすぎないことも大切です。
人間不信を克服するなら、真実とは異なることを言う人がいても「この人は信用できない人」というように深刻に考えすぎないことです。時と場合によっては小さな嘘をつくのがマナーとされる場合もあるからです。
相手の小さな嘘を深刻に捉えない
例えば、ビジネスシーンでは苦手な相手であっても良好な関係を保つために、お世辞や社交辞令を言わなければならないときも少なくありません。このように、人は誰でもさまざまな一面を持っているため、他人の小さな嘘はできるだけ気にしないようにしましょう。小さな嘘を軽く受け流せるようになると、相手に振り回されにくくなります。
全ての人を信じる必要はないという気持ちを持つ
人間不信を克服するなら、「全ての人を無条件で信じなくてもよい」と自分に許可を出すようにしましょう。世の中には平気で人を騙して詐欺を働く人間が存在するため、全ての人を信じる必要はありません。無条件に人を信じて騙された場合、再び心が傷ついて人間不信を強めてしまう恐れがあります。
例えば、職場の同僚とうまく打ち解けられなかったとしても「家族や親友は信じられる」と思うことで、身近にいる人を信じる気持ちが持てるようになります。
まとめ
人間関係を作るのが苦手、他人を信じられないという場合は人間不信に陥っている可能性があります。人間不信の原因やきっかけは人それぞれで異なりますが、自分に自信をつけたり新しい環境に身を置いたりするなどの行動の変化によって克服できるかもしれません。自分一人で辛い経験と向き合うことに不安を感じる場合は、専門家のカウンセリングを受けるのもおすすめです。
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