双極性障害に対する認知行動療法の効果について

COLUMN

双極性障害とは、気分が上下に激しく乱れる状態のことです。うつ病と間違われやすいため、自分の状態を正しく把握しなければいけません。


また、双極性障害の治療法に認知行動療法を活用すれば、思考や感情をコントロールしやすくなります。薬物療法と並んで治療の柱となるため、ぜひ理解しておきましょう。


本記事は、双極性障害に対する認知行動療法の効果について解説します。双極性障害の基礎知識や他の治療法についても紹介するので、併せて参考にしてください。

双極性障害とは

そもそも双極性障害とは、いったいどのような病気なのでしょうか。まずは、双極性障害について確認してみましょう。

躁状態とうつ状態

双極性障害とは、躁状態とうつ状態を繰り返してしまう病気です。躁状態が激しい双極性1型と軽い状態の双極性2型の2種類があります。

躁状態では、以下のような行動に至り、問題となるケースがあります。


・気分が高揚してしまい、誰彼構わず話しかけてしまう
・高額のローンを組んでしまう
・ギャンブルに全財産をつぎ込んでしまう
・全く眠らず、活動し続けてしまう


激しい躁状態になってしまうと社会的な信用や財産、職をなくしてしまうことも少なくありません。また反対に軽い躁状態であれば、周囲から「いつもより元気すぎる」と思われるだけで、病気に気付けない場合もあるでしょう。


一方、うつ状態では以下のような症状が見られます。


・気分が憂鬱で眠れない、または起きられない

・趣味に興味が湧かなくなる

・食欲が低下し、あまりご飯を食べない

・体を動かすことが面倒


躁状態とは反対に、気分が落ち込みやすいのがうつ状態の特徴です。周囲への関心が薄まり、心を閉ざしがちになります。

双極性障害とうつ病の違い

双極性障害とうつ病は似ていると勘違いされやすいですが、全く異なる病気です。先ほども紹介したとおり、双極性障害とは躁状態とうつ状態を繰り返します。しかし、うつ病はうつ状態のみが現れます。そのため、処方される薬も異なることから、自分の状態を正しく把握することが大切です。

双極性障害の治療法

双極性障害の治療法は主に以下の3種類です。


・薬物療法

・心理教育

・認知行動療法


それぞれどのような治療法なのか、詳しく解説します。

薬物療法

双極性障害の基本的な治療法は、薬物療法です。気分安定薬を使って大きく乱れた状態の気持ちを安定させるため、躁状態にもうつ状態にも効果があると言われています。


また、双極性障害ではうつ病で使用する抗うつ薬は原則使いません。抗うつ薬を使用することで、躁状態を引き起こす可能性があるためです。

なお、症状が安定したからといって、自己判断で服薬を辞めることは厳禁です。薬物療法は再発を予防するためにも長期にわたって服薬しなければいけません。体調が良くなった場合は、主治医と相談した上で今後の治療法を決めていきましょう。

心理教育

心理教育とは、本人が自らの病気のことを正しく理解してコントロールできるようになることです。例えば躁状態が健康な状態ではないことを理解したり、症状が出始めたときのサイン(ルートスイング)を発見したりすることで、うまく病気と付き合っていけます。

再発を繰り返してしまうと病気を認識できなくなるため、心理教育は発症初期に取り入れることが推奨されています。

認知行動療法

認知行動療法とは、物事の捉え方(認知)と行動に働きかけて気持ちを楽にする精神療法です。認知は同じ出来事を経験した場合でも、人によって捉え方が異なります。例えば、仕事の定時まで残り30分になったとき「あと30分しかないのか」と思う人と「あと30分もあるのか」と感じる人がいるでしょう。


後者の場合は終業までの時間が長く感じてしまい、大きなストレスを抱えることになります。また、ダラダラと仕事をして時間を潰そうとするなど、行動にも悪影響をもたらすでしょう。


認知行動療法を用いれば認知と行動に働きかけられるため、思考のバランスを整えられます。その結果、自身のストレスを減少させることにつながります。

双極性障害における認知行動療法の効果

では、双極性障害における認知行動療法の効果とはどういったものがあるのでしょうか。うつ状態に対するアプローチ方法を確認してみましょう。

うつ状態に対するアプローチ

うつ状態のときに困り事があれば、その原因を認知と行動面から探っていきます。例えば元気に過ごせる日が増えてきたが、たまに寝込んでしまう場合、何が原因で布団から出られないのかを分析します。分析した結果を知っておけば、本人が自分を扱いやすくなるでしょう。

「双極性障害かもしれない」と思ったらテラピに相談してみましょう

双極性障害は、躁状態とうつ状態が交互に現れる病気のことです。うつ病とは全く異なる病気のため、別の治療法が適用されます。基本的な治療法は薬物療法ですが、心理教育や認知行動療法も併せることでより症状をコントロールできるでしょう。


なお「双極性障害かもしれない」と感じる点があれば、知識と経験が豊富なカウンセラーがいるテラピに相談してみてください。日本では数少ない認知行動療法の専門家が多く在籍しています。そのため、薬以外の対処法を具体的に知ることができるでしょう。


カウンセリングはオフラインとオンラインのどちらかを選択できるのも魅力の一つです。自身の状態に合わせたカウンセリングを受けられます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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