誰もわかってくれないと感じる心理的な原因とは?解放されるために必要なこと
COLUMN「自分の気持ちをわかってくれない」「この先もわかってもらえないのではないか」と不安を感じている人も少なくありません。悩みや不安を抱えたままでいると孤独感が深まり、気付かないうちにストレスが溜まって心や体の健康に支障が出る恐れがあります。
この記事では、誰もわかってくれないと感じてしまう心理的な原因や、誰もわかってくれないと感じたときの解決策を解説します。
「誰も理解してくれないとネガティブに捉えてしまう自分を変えたい」という方は、ぜひ参考にしてください。最後まで記事を読めば、「誰もわかってくれない」と感じたときの対処法を見つけられるでしょう。
誰もわかってくれないという心理的な原因
誰もわかってくれないという気持ちになるときの主な原因は、次の3つが挙げられます。
・相手に完全な理解を求めている
・わかってくれそうな人に相談していない
・発達障害の可能性も
それぞれの原因を確認してみましょう。
相手に完全な理解を求めている
「誰もわかってくれない」と感じるのは常に他人からの肯定や受け入れを求めており、相手に過剰な期待を寄せていることが考えられます。自分の全てを相手に理解してほしいと考えることは精神面が未成熟で、大人になりきれていない傾向があるかもしれません。
例えば信頼している相手に不安や悩みを打ち明けた場合、一部は共感してもらったものの、相手の理解を完全に得られなかった場合、「理解してくれない相手が悪い」と逆恨みをしてしまうことはないでしょうか。
相手に理解してほしいという心理は、誰でも持っているものです。しかし、100%の理解を得るのは難しいということがわかれば気持ちを軽くすることができるでしょう。
わかってくれそうな人に相談していない
相手を理解しようという気持ちがない人に相談すると、「誰もわかってくれない」という心理に陥りやすくなります。「相手を理解しよう」「わかってあげよう」という気持ちで向き合ってくれない人の場合、理解してもらえない可能性が高まります。相談するときは自分のことを理解しようとする気持ちを持っている人に打ち明けることが大切です。
例えば、自分と似た経験をしたことがある人や、同じ経験をしていなくても相手の悩みや不安を共有しようという姿勢が見られる人などが挙げられます。普段から悩みがない人にはなかなか共感してもらいにくいでしょう。
発達障害の可能性も
発達障害とは脳の働き方が異なるため、行動面や感情面に人と違う特徴が見られる状態のことです。発達障害は後天的なものではなく、先天的に持つ脳の働き方の特徴と考えられているため一つの個性とも言えるでしょう。(※)発達障害に見られる主な特徴は次のとおりです。
・特定の対象に強いこだわりがある
・コミュニケーションをうまく取れない
・場の空気が読めない
・考えるよりも先に衝動的な行動をしてしまう
・同じミスを繰り返すなど
誰にでも当てはまりそうな特徴のため、発達障害だと自覚がない人も少なくありません。周囲の人から理解を得にくいことから、誰もわかってくれないという心理に陥りやすくなるとされています。
誰もわかってくれないという気持ちから解放されるために必要なこと
誰もわかってくれないといったネガティブな思考から解放されるためには、次に挙げることを意識してみましょう。
・自分の存在義を認める
・自分の発言や行動を振り返ってみる
・周りの人を理解することを意識する
・誰もわかってくれないと思うことを書き出してみる
・自分自身をわかってあげる
・カウンセラーに相談してみる
自分の存在義を認める
自分の存在意義を見失うと自己肯定感が低くなる場合があります。自己肯定感とは、自分はかけがえのない存在だと無条件で受け入れる感覚のことです。自己肯定感が低下する原因として次のようなことが挙げられます。
・幼少期の養育環境
・虐待、いじめなどによって負ったトラウマ
・失敗体験
・考え方の癖など自己肯定感は、さまざまな原因によって低下します。
自己肯定感を高めて自分の存在意義を認められるようになるには、カウンセラーによるカウンセリングもおすすめです。カウンセリングで成功体験を少しずつ積み上げていくことで、自己肯定感を高めていけるでしょう。
自分の発言や行動を振り返ってみる
誰もわかってくれないと思ってしまう場合、相手への伝え方に問題がなかったか、自分の発言や行動を振り返ってみることも必要です。伝えたいことが相手に正しく説明できていないことで誰にもわかってもらえない状況を自分で引き起こしているのかもしれません。
自分ではしっかり説明できたと思っていても、伝え方によっては相手が理解できていない可能性があります。誰もわかってくれないと感じたときは、まず「自分を理解してほしい」と思う気持ちが先走っていないか、伝わりにくい部分がなかったかなど自分自身の言動を振り返ってみましょう。
周りの人を理解することを意識する
相手に自分のことを理解してもらうことばかり意識していると精神的な疲労が積み重なってしまいます。自分に向いている意識の矢印を周囲の人に向けることで、相手が自分を理解しようとしてくれている姿勢や周りの人も悩みを抱えていることに気付けるでしょう。
周囲の人が自分と同じように悩みを持っていることに気が付き、誰もわかってくれないと感じるのは自分だけではないことを理解することが大切です。周りの人を理解することに意識が向けば誰もわかってくれないというネガティブな思考を手放しやすくなり、心が軽くなっていきます。
誰もわかってくれないと思うことを書き出してみる
誰もわかってくれないと心がモヤモヤするときは、紙とペンを用意して頭に浮かんだことを書き出してみるのもおすすめです。頭の中であれこれ考えているだけでは心の中を整理できないため、誰にもわかってもらえないという思考から抜け出せなくなります。
例えば「誰もわかってくれないから悲しい」「自分ばかり損をしていて腹が立つ」など、自分が抱えている思いをそのまま紙に書き出してみましょう。紙に書いた内容を読み返していると心が整理されていき、気持ちが楽になることがあります。冷静な判断がしやすくなるため、自分の思い込みだったと気付くこともあるでしょう。
自分自身をわかってあげる
誰もわかってくれないという気持ちは周囲の人だけでなく、自分自身のことが含まれている場合もあります。自分自身が一番の理解者になれるため、ネガティブな感情が出たときは他人に理解してもらうだけでなく、まずは自身を受け入れてあげるようにしましょう。
どのようなときにも自分を受け入れることができると、自己承認の欲求が満たされます。自己承認とは承認欲求の一つで、自分で自分を認めてあげることです。自己承認の欲求が満たされると気持ちに余裕が生まれ、周りの人が自分を理解してくれなくても肯定的に受け入れられるようになります。
カウンセラーに相談してみる
さまざまな方法を試しても効果が感じられない場合は、カウンセラーへの相談をおすすめします。カウンセリングでは、誰もわかってくれないといった悩みを抱えている人の相談も多く、カウンセリングを受けて話を聞いてもらうと心が軽くなることが期待できます。
カウンセリングの専門的な知識や技術があるプロに相談するため、頭ごなしに否定される心配もありません。カウンセラーは、誰もわかってくれないという悩みを抱えている方と一緒に解決方法を考えてくれるため安心して相談できます。
まとめ
誰もわかってくれないと感じる原因には、自信のなさや伝え方の問題などが挙げられます。誰もわかってくれないという気持ちから解放されるためには自分の存在を認めて自己肯定感を高めることが大切です。誰かに話を聞いてほしい場合は、プロのカウンセラーに相談してみましょう。
テラピでは、認知行動療法を学んだ公認心理師・臨床心理士に心の悩みを相談できるカウンセリングサービスを提供しています。プロのカウンセリングを受けることで、不安を感じたときに自分でできる対処法をアドバイスしてもらえます。プロのカウンセリングを受けて心を軽くしたい方は気軽にお問い合わせください。