第三世代 認知行動療法とは?今までの認知行動療法との違いを説明

COLUMN

認知行動療法には、第一世代、第二世代、第三世代があります。これまで数多くの学者が理論を提唱したり、手法を生み出したりしながら時代とともに変化しています。世代ごとに考え方の基盤になる要素を兼ね備えているため、いずれの認知行動療法も現在の精神療法を大きく支えています。

本記事では、第三世代の認知行動療法とはどのようなものなのかを見ていきましょう。今までの認知行動療法との違いも解説します。ぜひ参考にしてください。

認知行動療法とは

認知行動療法(CBT)とは、1970年代に精神科医のアーロン・ベックがうつ病の治療のために開発した精神療法です。現在はうつ病以外にも、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パニック障害などに用いられるのが一般的です。

認知行動療法では感情はあくまで結果であり、誤った認知が原因でストレスを抱えたり、精神が不安定になったりすると考えます。そのためカウンセリングでは、行動を引き起こすきっかけとなった考えのくせや行動の多様性を提案するなどしてうまくアプローチしながら、クライアントにとって生きやすい環境の構築を目指します。

認知行動療法の第一世代は行動、第二世代は認知、第三世代は認知の機能にアプローチしながら進化しているものの、いずれも深く関わり合っていることも理解しておきましょう。

第三世代:認知行動療法の特徴

第三世代の認知行動療法は、1990年代から始まった新しい精神療法です。認知の機能やプロセスを重視しながら治療するのが特徴です。

ネガティブな感情を改善しようとするのではなく、適度な距離を保ちながら客観視することで状況の改善を図ります。クライアントがありのままの状況を受け入れ、どのように症状や精神疾患と付き合いながら生きていくのかといった個々の生き方に焦点を当てることで、精神の安定や精神疾患へのさまざまな効果が期待できるとされています。

代表的な手法はマインドフルネスやACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)、弁証法的認知療法、メタ認知療法などです。

代表的な第三世代の認知行動療法

第三世代の認知行動療法で代表的なものに、マインドフルネス認知療法とACTがあります。それぞれ解説します。

マインドフルネス

マインドフルネス認知療法とは、感情と距離を置きながら、出来事の捉え方そのものは心の中で起きたものであり、事実とは異なるものとして受け止める手法です。

その人ならではの捉え方が原因で引き起こされた、精神の不安定さや精神疾患などを事実や思考と切り離しながら、その時々の瞬間を受け入れるようになることを目指すことで生きやすい環境を構築することを目的としています。

ACT

ACT(Acceptance and Commitment Therapy)とは、マインドフルネスの考え方を基盤とした認知行動療法の一つで文脈的認知行動療法とも言われます。感情を積極的に受容しながら、大切にしたい価値に焦点を当てて行動するのが特徴です。

カウンセリングも従来のような症状や気分の改善を目指すものではなく、思考や感情に気付いて受け入れることを重視します。

第一世代:行動療法の特徴

第一世代の認知行動療法は、行動にアプローチして治療する行動療法に力を入れていました。出来事に対して不適切な行動を変化させ、生き抜くことをテーマにしていたのが特徴です。

代表的な技法には、あえて不安が強くなる環境に身を置くことで不安を取り除く暴露療法や条件付けにより引き起こされる不安を再度条件付けすることで消し去ろうとする系統的脱感作法があります。

行動療法の課題点

行動療法は、名前のとおりでクライアントがとる行動に対してアプローチします。そのためうつ病や不安障害などの精神疾患を抱えるクライアントへの十分な効果を見込めないものとなりました。

物事や出来事に対する思考に対しても追加でアプローチする必要があるとされ、認知行動療法の第二世代へと進化していきました。

第二世代:行動療法+認知療法の特徴

1970年代からは第二世代の認知行動療法として、従来の行動療法と組み合わせながら認知の内容を変化させるアプローチで治療が行われました。ABCシェマのモデルに基づきながら、出来事に対する捉え方を変えることをテーマにしていたのが特徴です。

代表的な技法には、捉え方のくせに働きかける認知再構成法や論理情動行動療法(REBT)などがあります。

行動療法+認知療法の課題点

行動療法と認知療法を組み合わせた第二世代の認知行動療法は、科学的な根拠がない上に行動療法と認知療法、それぞれが独立しているため、効率的な治療が期待できないことが課題になりました。

第二世代で浮き彫りになった課題は、第三世代の認知の機能やプロセスを重視しながらアプローチする方法へと進化していったのです。

まとめ

第三世代の認知行動療法では、不安や恐怖などの原因を引き起こした行動や感情そのものを変化させるのではなく、ありのままの状況を積極的に受容しながらクライアントが重視する価値に向かって行動することに焦点を当てます。

第一世代、第二世代で確立された、さまざまな理論や技法を融合させながら進化してきた精神療法だということも把握しておきましょう。

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