認知行動療法(CBT)が効果的な場合/そうでない場合はある?個人差はあるの?

COLUMN

認知行動療法は心の中の不安な気持ちと向き合い、時には苦痛と感じる課題にチャレンジしていかなければなりません。
 
認知行動療法で効果が出るには生活を改善するために自分でも取り組んでいこうとする姿勢などが重要になってきます。
 
そのため精神状態があまりにも良くない場合、治療に受け身な場合、考えてばかりで実践できない場合など、効果が十分に発揮されない場合があります。また自身の状況や課題によって治療の効果や進行度合いも変わります。
 
本記事では、認知行動治療法の概要と治療の効果が十分に発揮されない場合の3つの特徴を紹介します。

認知行動療法とは

認知行動療法とは、心理療法の一種です。物事の捉え方(認知)と行動に働きかけることで考え方のバランスを整え、ストレスと上手く付き合う対処を身につけることで生活を改善する(より良い生活を送る)ことを目指します。
 
昨今ではうつ病やパニック障害、統合失調症、強迫症障害、社交不安障害といった疾患の他、ADHDなどの発達障害の治療にも効果があることが示されています。

認知行動療法では、一般的に医師またはカウンセラーによる1回30分以上の面談をおよそ3カ月間かけて16〜20回ほど行うことが一般的です 。[注1]
 
※困りごとや目標に応じて期間や回数は変わってきます。
 
対処法を学び、取得するまでには時間がかかりますが、一度取得してしまえばさまざまなこころの病気に対して役立つ安全性の高い心理療法といえるでしょう。
 
一方で認知行動療法では、不安と感じる対象について向き合う必要があるため、人によって向き不向きがあります。 

[注1]厚生労働省「うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル」p2(参照 2022-08-23)

認知行動療法が効果的でない場合の特徴3つ

認知行動療法が効果的でない場合の特徴としては、次の3つが挙げられます。
ただしこれらの条件に当てはまるからといって、認知行動療法の効果が全くないとは限りません。
治療の効果には個人差がある他、担当医やカウンセラーとの相性にも大きく左右されます。その点も踏まえ、カウンセラーと相談しながらカウンセリングを受けるようにしましょう 。
 

1. 苦い体験や不安感に向き合えない人

前述のとおり、認知行動療法では今まで体験した苦痛な出来事や負の感情に改めて向き合うことが必要です。
 
認知行動療法の治療法にはコラム法、セルフモニタリング法、リラクセーション法などさまざまなものがあります。中でもエクスポージャー法(暴露療法)は自分が不安に感じるものに段階的にアプローチし、徐々に慣れていくことを目標にした治療方法です。
 
例えばパニック障害で電車に乗ることに不安を感じる場合、まずは駅に向かう、電車に乗って1駅で降りる、電車で行けるところまで乗っていく、といった具合に少しずつ慣れさせていきます。
段階を踏みながらとはいえ、自分の不安な対象や気持ちに向き合うことは苦痛を伴います。
特に体調や精神が不安定な状態の際には、その苦痛と向き合うことに耐えられない方もいるでしょう 。
そういった場合、まずは薬物治療を受けて状態が落ち着いてからが望ましい場合もあります。無理をして認知行動療法を受ける必要はなく、別の治療法が優先されることもあります 。

2. 治療に対して受け身な人

クライエント側が「自分は相談をするだけで良い。あとは治療者が全て行ってくれる」といった受け身の姿勢のままでは、認知行動療法の効果を最大限に得られません。これは他の心理療法にもいえることでしょう。

認知行動療法は、治療者との面談で話をするだけでなく、課題を明確にして日常生活の中で実際に試していくことが求められます。
職場や学校、家庭などで積極的に課題にチャレンジし、実際に自分の体験として落とし込んでいくことで効果的な治療へとつながっていくのです。
 
実際に課題に取り組むことを負担に感じる場合には、認知行動療法は効果が出にくいといえるでしょう。

3. 議論が目的になってしまう人

認知行動療法 を受けていく中で、時には治療者とクラアインとの間で議論が生じる場合もあるかもしれません。
 
治療者である医師やカウンセラーと一緒に自分の考えや行動、ストレスについて話し合い、新しく生まれた価値観に沿ったチャレンジをすることは治療において大切です。
ただ、中には議論が目的になってしまい、治療を進めていく過程で生まれた新しい認知や行動について揚げ足をとったり、最初から「出来ない」と決めつけたりして新しい行動や挑戦が出来なくなってしまう方もいます。
認知行動療法は頭で考えるだけでは効果を実感できないため、議論するだけで終わらせず実際にチャレンジしていく必要があります。

認知行動治療法は考え方を変えるだけでなく実践することが重要

認知行動療法 はうつ病や統合失調症など、さまざまな精神疾患やこころの病気の治療に適用できる一方、その特性から治療に向いていない場合もあります。
 
認知行動治療法において、認知や行動パターンについて把握するだけでは効果的に進めていくことはできません。
 
心の中の不安な気持ちと向き合い、設定した目標に向けて少しずつでもチャレンジすることが必要です。
まずは医師やカウンセラーに相談し、自分のペースで無理なく治療を行っていきましょう。

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