大人のADHDに対しての認知行動療法

COLUMN

ADHDの治療では、薬を使用する「薬物療法」と、心理面に働き掛けてストレスを軽くしていく「心理療法」があります。このうち認知行動療法は心理療法の一つで、大人のADHD治療に有効とされている治療方法です。


本記事では、大人のADHDへの認知行動療法の詳細や、治療を行う際の流れを紹介します。

大人のADHDに推奨される認知行動療法とは

まずは、大人のADHDへの認知行動療法の概要を見ていきましょう。

「認知」を促す心理療法

認知行動療法は、「認知」と「行動」に働きかける心理療法の一つです。実際には、「認知療法」「行動療法」を合わせたものを指します。


認知療法とは、考え方の癖や思考の偏りへの気付きを促す治療法のことです。自分自身に対する理解を深めていくことで、心のバランスを正しい状態に近づけていきます。一方行動療法は、恐怖症や癖などの行動上の問題にフォーカスして、何らかの原因で不適切な反応が起きてしまっているのか、適切な反応が未修得なのかを導き出します。


ADHDの人が自分の心の動きを「認知」することは非常に重要です。気付きを得ながら行動パターンを変えていくことが、ADHDに起因するストレスの低減につながります。

薬物療法でカバーできない問題を解決

ADHDの原因の一つとしてあげられるのが、「神経伝達物質が正しく働いていないこと」です。これを解決するため、ADHDの治療では薬の服用を勧められます。


しかし薬物療法でできることは、多動などの表面的な症状のみです。「計画が立てられない」「整理整頓できない」といった大人のADHDには効果が出にくく、薬物療法だけでADHDへ対応するのは難しいでしょう。


ADHDの治療では、薬物療法と並行して認知行動療法を行うことが有効とされます。患者が自分の心の動きや癖に気付くことで、心の動きに起因するADHD特有の問題にも対処しやすくなるのです。

大人のADHDの方に対する認知行動療法の流れ

1. 課題の整理

まず、自身のADHDがどのような状態であるのかを明確化します。ADHDについて理解を深めることが、自分自身を客観的に見ることへつながるためです。自分がどのような問題・課題を抱えているのか理解できれば、次のステップに踏み出しやすくなります。

2. 思考のバランスを取る練習

ADHD特有の課題を解決するために、思考・行動の癖を修正していきます。ADHDの場合に選択される治療法の例は、以下のとおりです。


●注意持続訓練:物事に集中できるようにするための訓練
●時間管理訓練:スケジュールの把握・調整ができるようにするための訓練
●環境調整:自分の周りの環境を整えるための訓練
●感情コントロール:怒りっぽい症状が出ている人を対象とする「アンガーマネジメント」の訓練
●対人スキル訓練:周囲の人とどのように関係を構築していけば良いか・受け答えをどのようにすべきかの訓練


行われる治療は、患者の状態やクリニックの方針等によって異なります。実際の治療に入る前に説明がありますから、不安なこと・気になる点はきちんとクリアにしておきましょう。

3. 治療終了

認知行動療法は、数回で効果が出るものではありません。意識の改革は時間をかけて行われなければならないため、ほとんどの場合数カ月の通院が必要です。


また治療が終了したからといって、「完治した」と考えるのは避けましょう。治療による効果が見られても、再発のリスクは常にあります。治療終了にあたり再発予防のポイントがレクチャーされますので、治療が終わった後も、自分で認知行動療法に取り組むことが必要です。

大人のADHDには認知行動療法が有効

大人のADHDへの治療法として、認知行動療法はその有効性が確認されています。すでに欧米ではごく一般的な治療法ですが、日本における認知度はまだ高くありません。大人のADHDに対し、専門的な認知行動療法を提供できる医療機関を見つけるのは難しいのが現状です。


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