虚無感を感じる理由は?陥りやすい人の特徴や抜け出す方法を解説

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※虚無感に陥りやすい人にはいくつかの特徴がありますが、特徴に当てはまるかといって全ての人が虚無感に陥りやすいと言い切ることはできないので。あくまでも目安として参考にしてください。

ふとしたときに虚無感に襲われたという経験はありませんか。日常生活の中で「やる気が起こらない」「なんだか虚しい」と感じる方も少なくありません。虚無感の感じ方は人それぞれで異なります。例えば、何の前兆もなく突然虚無感に陥るケースや、強い虚無感に捉われてしまい日常的に辛いと感じるケースなどがあります。

この記事では、虚無感の原因や陥りやすい人の特徴などを解説します。虚無感の抜け出し方やチェックリストも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

虚無感とは

虚無感とは、ふとした瞬間にやる気が起きなくなり突然虚しさを感じることです。虚無感の意味を解説した上で、自分が虚無感に陥っているのか現状を知るためのチェックリストを紹介します。

虚無感の意味

虚無とは、「価値がない」「何の意味もない」という意味です。つまり、虚無感は「人生に何の意味もない」「自分は無価値である」という感情を指します。虚無感に陥ると全ての物事に対して虚しさを感じてしまう場合があります。

虚無感の対義語は満足感・充足感・達成感などです。満足感とは、思い通りの展開で心が満たされている状態を表します。充足感は希望が叶って満足した状態を指します。そして、仕事や趣味で目的や目標を成し遂げたときに感情が高ぶる状態が達成感です。

このように虚無感の対義語には、心が満たされているポジティブな言葉が多く存在します。一方の虚無感は正反対の意味を持つことから、ネガティブな言葉であることが分かります。

虚無感のチェックリスト

自分が虚無感に陥っているのか簡易的に調べる方法があります。まずは、次に挙げるチェックリストの内容に当てはまる部分があるか確認してみてください。

● 起きた直後から無気力を感じる
● 楽しいと感じることがない
● 誰かと会う気分になれない
● 無表情でいることが増えた
● 誰かに何かを期待することがない
● 何かに心を動かされることがなくなった
● 外出する気分になれず、休日は自宅から出ない
● 大切だったものへの愛着や価値を感じられなくなった
● 自分がいなくなっても誰も困らないし悲しまないと考えることがある

上記のチェックリストの項目が多い人ほど虚無感に陥っている可能性があります。虚無感から抜け出すためには、後述する虚無感の原因や抜け出す方法も合わせてご覧ください。

虚無感を抱える主な原因

虚無感を抱えてしまう原因は人それぞれ異なります。ここでは、代表的な原因をいくつか解説します。
上記で紹介したチェックリストの項目が多く、虚無感に陥っている原因を知りたい場合は、以下に挙げる原因に心当たりがないか確認しましょう。

大切な人や生きがいを失った

大切な人やものを失うと、虚無感に襲われることがあります。失恋をしたり、心の拠り所にしていた恋人や家族を亡くしたりしたときに喪失感と同時に虚無感を抱きやすくなります。また、大切にしていたペットが迷子になったり死別したりして会えなくなったことも虚無感を抱える原因の一つです。

人やペットを失って虚無感を抱くのは、その存在がいることで「自分は必要とされている」と感じているからです。大切な存在を失うことで、自分の存在価値はなくなってしまったと絶望するため虚無感に襲われてしまいます。

その他の原因として、退職によって社会的な役割を失う、被災に遭って家・仕事を失う、病気にかかって仕事・収入源を失う、人生をかけた大きな目標を失うなども挙げられます。

目標や趣味などやりがいが見つからない

日常生活の中で目標や趣味などのやりがいを見つけられないことで虚無感を抱く場合があります。目指すべき目標や自分の世界に浸って楽しめる趣味がないと職場と自宅を往復するだけで1日が終わってしまい、その繰り返しで時間が過ぎていることに虚しさを感じやすくなります。

また、大きな目標を達成した後や、趣味で技術や知識を極めて学ぶものがなくなったときに虚無感に襲われることも少なくありません。実現が困難な目標ほど到達したときの達成感が大きく、それを上回る目標が見つからないとやりがいを失って虚しさを感じてしまいます。

将来に不安を感じている

将来に対する漠然とした不安を感じている状態にあることも虚無感を抱く原因とされています。将来に不安を感じてしまうのは、現実の暮らしと理想の暮らしに埋められないほど大きなギャップが存在しているからです。

例えば、お金の不安がない暮らしを理想とした場合、現実は仕事で稼いでも生活費に消えてしまって貯蓄する余裕がないと「このままの状態で将来は大丈夫なのか」と漠然とした不安を感じやすくなります。

その他に、定年を迎えるまで今の企業で働けるのか、恋人をつくれるのかなど、仕事や恋愛に関する不安を感じたときにも虚無感に襲われる場合があります。

自信を失くしている

自信を失う出来事があったときに虚無感に陥る場合があります。例えば、仕事でミスをして上司から注意されたり、取引先からの信頼を失ったりすることで自信を失くしてしまうケースが挙げられます。

また、職場や恋愛、近所付き合いなど人間関係がうまくいかないときに自信を失い、虚無感を抱くこともあるでしょう。家庭環境や過去に負った心の傷がトラウマとなり、人間関係に苦手意識を持ってしまい、自信を失くすことにつながる場合もあります。

虚無感に陥りやすい人の特徴

虚無感に陥りやすい人にはいくつかの特徴があります。ただし、以下に挙げる特徴が当てはまる場合でも、全ての人が虚無感に陥りやすいと言い切ることはできません。あくまでも目安として参考にしてください。

他人の気持ちに敏感

虚無感に陥りやすい人の特徴の一つに挙げられるのは、自分以外の人や環境の変化に敏感なことです。他人の気持ちに敏感な人は感受性が高く、相手が感じていることを自分に起きた出来事のように受け止めてしまいがちです。

相手が誰かに心を傷つけられた場合は同じように自分も傷つき、相手が悲しんでいると自分も一緒に悲しい気持ちになります。周囲で起こることを自分の事として受け止めるため、精神的に疲れて虚無感に襲われることも少なくありません。

また、自分と関係のない出来事にも敏感に反応することで、悲しい事件のニュースを見たり聞いたりすると、自分が当事者であるかのように悲しみを感じてしまうことがあります。

真面目で神経質

虚無感に陥りやすい人の代表的な特徴は、真面目で神経質なことです。真面目で神経質な人は、他の人がサラッと受け流してしまう些細なことも全力で受け止めるので、心が傷つき、精神が不安定になりやすい傾向があります。

ネガティブな言葉や情報が入ってくるとストレスとして抱えてしまい、ストレスが大きくなると自律神経が乱れることがあり、気分が落ち込みやすくなります。気分の浮き沈みがあると自分に自信が持てなくなったり、自分で自身の存在価値を否定したり、ネガティブな思考になりやすいです。そのため強い虚無感に捉われてしまいます。

依存心が強い

特定の誰かに依存する傾向が強いことも虚無感に陥りやすい人の特徴の一つです。依存心が強い人は恋人や家族、友人など身近にいる人に依存しやすい傾向があります。一人でいることが苦手で、選択を迫られたときは自分で決められないため、相手任せになる傾向もあるでしょう。

失恋や死別など心の支えにしてきた人と別れを迎えることで、虚無感を抱きやすくなります。依存心が強くなる原因はいくつかありますが、例えば幼少期に十分な愛情を受けられなかったことが他人への依存心を強めるケースなどが考えられます。

目標や信念を持てない

目標や信念がないことも虚無感に陥りやすい人に見られる特徴の一つです。人生のやりがいにつながるような目標や信念がないと、ネガティブな出来事が起こったときに虚無感に襲われやすくなります。

目標を達成するためにコツコツ取り組んでいる人や強い信念がある人は、感情が揺さぶられるショックな出来事があっても目標や信念を生きがいにできるため、前向きな気持ちでいることができます。目標や信念がない人は心の支えになるものがないため、ネガティブな出来事が起こると感情が引っ張られて虚無感に襲われてしまう可能性があるのです。

虚無感から抜け出すには?

虚無感に襲われたときに自分と向き合えるかどうかが、虚無感から抜け出すためのターニングポイントになります。具体的な解決策を3つ解説するので、チェックリストの項目が多く当てはまる人はできそうなことから試してみてください。

自分の気持ちを誰かに話してみる

虚無感から抜け出すためには、信頼できる人に今感じている気持ちを聞いてもらうことが大切です。誰にも心の内を明かさずに一人で抱え込むと、虚無感を強める恐れがあります。自分の気持ちを誰かに話すことで、相手から効果的なアドバイスをもらえるかもしれません。

たとえアドバイスをもらえなかったとしても、話すことで気分がすっきりする場合があります。もしも話を聞いてくれる人が周囲にいない場合は、専門のカウンセラーに相談することも一つの方法です。

自分の気持ちと向きあってみる

虚無感から抜け出す方法の一つは、虚無感を感じている現状を受け入れて理由を明らかにすることです。虚無感に陥っていることを受け入れずに放置すると、精神的な負担が大きくなって状態が悪化する可能性があります。

虚無感に襲われている理由が分かれば虚無感から抜け出す糸口が見つかるため、漠然とした不安を解消できます。自分の気持ちと向き合う際は、感情や最近起きた出来事などを書き出しましょう。頭の中が整理されて客観的に物事を見られるようになると、虚無感との向き合い方を見つけられることもあります。

好きなことをやってみる

楽しいと感じられることに熱中すると虚無感を和らげられる場合があります。楽しい時間を過ごしているときはそちらに意識が集中し、ネガティブな思考になるのを避けられるため虚無感から抜け出せるかもしれません。

何をすればよいのか分からないという場合は食べたいものを味わう、好きな音楽を聴く、映画・アニメを観る、漫画・小説を読む、ドライブをするなど少しでも興味があることを試してみましょう。

まとめ

虚無感を受け入れて自分の気持ちと向き合ったり、信頼できる人に話を聞いてもらったりすることで虚無感から抜け出すために大切な方法です。周囲に気を許せる人がいない場合は、専門のカウンセラーに相談することをおすすめします。

テラピは、認知行動療法を学んだ心理学の専門家のカウンセリングを受けられるサービスです。カウンセリング方法は対面とオンラインの2つがあり、自分の都合に合わせて選べます。お気軽にご相談ください。

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